メニューにジャンプコンテンツにジャンプ

トップページ > 町の行政 > 広報・広聴 > 広報みずまき > 2019年 > 広報みずまき2019年9月10日号(特集)

広報みずまき2019年9月10日号(特集)

更新日:2021年2月10日

家族・友人の「様子」がいつもと「違う」と感じることはありませんか。

食事量が減った、
普段より疲れた顔をしている、
ため息が目立つ、
口数が減った…、
家族や仲間など身近な人が
「いつもと違う」様子ということはありませんか?

それはかけがえのない命の大切なサインかもしれません。
自分に寄り添ってくれる人がいる。
それだけで生きる気力がわき上がってくるものです。
一人一人が悩みを身近な問題として捉え、
互いに見守り、安心して話せる
環境を作ることが大切です。

周囲が気づかぬうちに一人で悩みを抱えて
精神的に追い詰められ、最悪の場合は自ら命を絶ってしまうことも。

5人に1人の割合で「本気で自殺を考えた」経験があるなど、
決して自殺は他人ごとではありません。

大切な人の命を守るために、
「いつもと違う」様子に気づいたら、勇気を出して声をかけてみませんか?

キーワード(1)「助けて」のサイン

一般的にあまりに身近すぎる人にはなかなか自分の気持ちを出せない人も少なくありません。特に一番頼れる家族には言えないケースも多く、自死遺族の中にはその予兆に気がつくことができず、さらに苦しんでいる人もいます。

自殺の背景はほとんどの場合、健康問題、失業や倒産などの社会的・経済的問題、職場や学校、家庭の問題といったさまざまな悩みを抱えて心理的に追い込まれてしまった末のものです。

また、「死にたい」と考えている人自身も、「生きたい」という本心との間で激しく揺れ動いており、自殺に至る前に何らかのサインを発していることがありますが、ほかの選択肢が見えなくなっていて、うまくSOSをだせないことも多いのが現実です。

自殺を防ぐためには、家族や職場の同僚、学校の友人といった周囲が「かすかな何らかのサイン」に気づいて本人をしっかり支えていくことが重要です。

数字から読み解く

20,840人

平成30年の全国の自殺者数。1日当たり平均57人の尊い命が亡くなっています。(警察庁統計より)

7人

平成21年から29年までの水巻町の自殺者の年平均人数。

4つ

自殺の原因で最も多いのは「健康問題」と言われ、最終的にはうつ状態になり、客観的な判断ができない状態にあります。自殺に至るまでのプロセスには、さまざまな要因が複合的に連鎖していると言われ、平均して一人4つの要因があると言われています。(NPO法人ライフリンク「自殺の危機経路」より)

1位

15から39歳の死亡原因の1位は自殺です。その数はわずかに減っている状態です。

水巻町は全国に比べ、若年層と言われる39歳以下の自殺死亡率が高くなっています。(平成30年の人口動態統計より)

10倍

自殺未遂者は、自殺者の10倍と言われます。

3月

1年の中で最も自殺者が多い月です。また自殺対策強化月間でもあります。

一般的に、春は自律神経のバランスの乱れから、メンタル不調を起こしやすいと言われています。また春は環境の変化の大きい季節でもあります。

 キーワード(2)孤立の病

あなたの周りに心配な人はいませんか。近年、さまざまな理由で社会から孤立する人が増えています。自殺は「孤立の病」とも言われます。学校や職場、家庭、地域で居場所がなく、不安や心配なことを他の人と分かち合えないと、孤立感が高まります。

独居か、家族と同居かという居住形態だけでなく、地域社会や会社で人とのつながりが乏しいことが、サポートが得られない状況を作り、うつの発症や自殺の可能性を高くしてしまいます。心身の変調に気づかれにくい状況になりますので、家族・会社・地域・趣味などで「人とつながること」がとても重要になっています。

また、孤立の一つの要因となるのが「依存症」です。アルコールや薬物、買い物、ギャンブルといった高揚感を伴う行動を繰り返した結果、欲求を抑え切れなくなり、日常生活に支障をきたす病気で、国内530万人以上と推計されています。本人は病気という自覚がないことが多いこと、病気と認めたくないという気持ちもあることで、病院受診をしない人も多いと言われています。依存症は、家族も誰に・どこに相談してよいかわかりにくく、本人だけでなく、家族も孤立につながっていきやすいとされています。

このような「孤立しがちな人」が発している救いを求める声に早い段階で気づき、周囲とつながるきっかけをつくることが、自殺の予防にはとても重要です。

こころの健康に不安を感じたら

眠れない、食欲が出ない、疲れがとれないなど、いつもと違う心身の不調を感じたり、学校や仕事、家族、健康のことなどで不安があったりしていませんか。

そのようなときは、決して一人だけで悩みを抱えず、まずは誰かに話してみてください。あなたの周りにいるたくさんの人が、あなたの支えになりたいと思っています。

あなたが相談できる場所は身近にありますので、気軽に連絡してください。

  • 自殺の悩み・こころの相談
    毎日24時間 9月20日からは電話番号:093-653-4343
    北九州いのちの電話 電話番号:093-671-4343
  • 子どもの悩み相談 毎日24時間
    メール相談可 hotline24●pref.fukuoka.lg.jp(●を@に置き換えてください)
    子どもホットライン 電話番号:0949-24-3344
  • くらし・しごと・家計の困りごと相談室
    月曜から金曜、午前9時30分から午後5時30分
    福岡県自立相談支援事務所 電話番号:093-203-1630
  • 小規模事業所における健康相談など
    月曜から金曜、午前9時から正午、午後1時から5時
    北九州西地域産業保健センター 電話番号:093-681-6222
  • 自死遺族の集い
    偶数月の第3土曜午後2時に開催
    北九州市「わかち合いの会」 電話番号:093-522-8729

キーワード(3)ゲートキーパー

ゲートキーパーの役割とは

心理、社会的問題や生活上の問題、健康上の問題を抱えている人など、自殺の危険を抱えた人々に気づき適切にかかわることですが、そのために必要となる特別な資格はありません。つまり、家族、友人、同僚といった身近な人の様子の違いに気づいたあなたが「ゲートキーパー」になれるのです。

さまざまな悩みを抱えることによって精神面だけでなく、体や日常行動にも影響を及ぼすこともあります。例えば、元気がなくなった、食事量が減った、よく眠れていない、普段より疲れた顔、ため息が目立つ、口数が減ったなど、いつもと違う様子ならば特に注意が必要です。

また、自殺者の大半がうつ病などの精神疾患にかかっていたことも分かっています。

もしも、いつも顔を合わせる人が最近元気がないなど、いつもと違っていたら…。まずは勇気をもって、「どうしたの?」「よく眠れている?」などと声をかけてみませんか。「周囲が手を差し伸べ、話を聞くこと」によって、結果として自殺を考えた本人がそれを乗り越えられることにもつながっています。

うつ病などの心の病気が疑われる場合は、早めに医療機関やカウンセラーなど専門家への相談が大事です。本人を理解してくれる家族、友人などの周囲と連携して、専門家への相談に一緒について行くなどによって促しましょう。

1気づく

これまでと違う様子を見逃さない

悩みやストレスで心理的に追い込まれていくと、身だしなみに気を配れなくなったり、これまで熱中していたことに興味がなくなったりなど、見た目や行動・言葉に変化が現れます。変化に気づき、声を掛けることが大切です。

悩んでいる人に気づいたら…

  • 心配していることをしっかりと伝える
    「何だか辛そうだけど、どうしたの?」
  • 話を聞き流す・安易な助言はしない
    「気の持ちようでどんなことでも変わるんだから、元気出して頑張ろう!」

2聴く

本人の気持ちを尊重して

相手の感情を否定せず、本人の意思を尊重し話に耳を傾けます。「嫌がられるかな」と思わずに、落ち着ける場所で話を聞くなど、積極的な関わりが大切です。

話を聞くときには…

  • 結論を急がず、じっくり受け止める
    「よかったら、どんな些細なことでもいいから聞かせてくれない?」
    「それは大変だったね。一緒に考えよう」
  • 否定や、気晴らしの強制はしない
    「そんなに深刻に考えちゃダメ」
    「悩むより、ぱっと飲みに行こうよ」

3つなぐ

自分たちだけで抱え込まない

自分たちだけで悩み事を解決するのが難しいときは、解決の助けとなる専門機関に相談することも大切です。家族など本人以外の人が相談できる機関もありますので、気軽に相談してみましょう。

専門機関へつなぐときには…

  • 本人の意思を尊重した無理のない提案を
    「いきいきほーるや役場でいろいろな相談ができるみたいだよ」
  • 決めつけや一方的な提案はしない
    「それは病気だよ!すぐに病院に行ったほうがいいよ」

4見守る

気づく・聴く・つなぐの継続

気づいて声をかけ、話を聞き、必要に応じて専門機関に相談をした後も、元の元気な状態に戻りつつあるかを見守りましょう。一度に解決できない場合もあるので必要に応じ「気づく」「聴く」「つなぐ」を繰り返すことが大切です。

身近な人ができる見守り方…

  • これまでと変わらない距離感で寄り添う
    「いつでも言ってね。一緒に考えよう」
  • 距離を置かず、じっくり見守る
    「忙しくて相談には乗れないけれど、早く元気になってね」

「SOSを効果的に出して」「そのSOSに気づいて」と願いを込めたしおりを作成。

町内の小学校・中学校でもSOSの出し方、気づき方をこれから指導していきます。

このページの担当部署

企画課 広報係
電話番号:(代表)093-201-4321