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十字架の塔

更新日:2023年5月9日

「十字架の塔」の整備と献花式

十字架の塔の写真

水巻町古賀町営墓地にあった荒れ果てた十字架の塔の整備は、ウインクラーさんが再来町した翌年の1987年から始りました。

そしてこの年の3月、ウインクラーさんと戦時中に亡くなったオランダ兵仲間の遺族が十字架の塔を訪れ、「十字架の塔・平和と文化を育む会([1986-1995年]代表:黒河省二さん)」の主催で献花が行われました。
出席したオランダの人々の中には、当時を思い出し涙を流す人が多くいました。

献花式

同じ年の9月には元オランダ兵捕虜53人の名前が刻まれた銅板が完成しました。
3回目の献花式が行われた1989年11月には、オランダの小学生などが不用品を売って作ったお金で購入したチューリップの球根10,500個が水巻町に届けられました。
翌年の春には「十字架の塔」の周りや町内の幼稚園、小・中学校などで、きれいな花を咲かせました。

1991年に入ると、えぶり小学校の生徒たちによる「十字架の塔」の周りの草刈りが始まりました。また、水巻中学校や頃末小学校の生徒たちも「十字架の塔」の掃除をしたり、献花式に参列して千羽鶴を捧げたりしています。

献花式に訪れたオランダの人々は町内の小学校や中学校を訪れ、子どもたちとの「平和」をテーマにした交流会が行われています。「十字架の塔」について学ぶことをきっかけに水巻町の学校では平和学習が行われるようになりました。

1995年には当時のノールドオーストポルダー市長と水巻町長とが相互交歓を行い、交流は新たな段階を迎えました。1996年の第9回献花式からは、主催団体が「十字架の墓標・平和と文化を育む会([1996-2009年]代表:黒河博さん、[2009-2023年]代表:黒河英利さん)」へと移り、活動は現在も継続されています。

十字架の塔の写真

2000年、新たに「十字架の塔」の修復が行われました。元オランダ兵の名前が刻まれた銅板が新しくなり、4月にはオランダ外務大臣が訪れました。十字架の塔がある丘の下には日蘭400周年を記念して400という数字を形どったチューリップがきれいな花を咲かせました。

献花式は2011年で45回目を迎えました。25年の年月を経て、「十字架の塔」は水巻町にとって大切な平和のシンボルとなっています。

「十字架の塔」に関わるボランティア団体の紹介

水巻町十字架の墓標・平和と文化を育む会(1996年から)

「水巻町十字架の墓標・平和と文化を育む会」は、水巻町にあるボランティア団体です。「十字架の塔」での献花式の主催、オランダからの慰霊団の人々の世話などを行い、オランダとの架け橋となっています。

黒河英利さん

第2代代表:黒河英利さん

前代表、博さんの後を継ぎ2009年から「水巻町十字架の墓標・平和と文化を育む会」の代表となりました。
「毎年、オランダから慰霊団の人々が水巻町を訪問されます。私は皆さんとのふれあいを大切にし、また水巻町とオランダとの友好のため十字架の塔を守っていきます。」と交流に尽力されましたが、2023年3月永眠されました。

黒河博さん

初代代表:黒河博さん

献花式や慰霊団の歓迎会を主催するなどオランダとの友好のために尽力。
黒河さんは生前こう語っています。
「水巻町の小・中学校では平和学習が行われています。これは水巻とオランダの交流が生んだひとつの成果です。歴史の事実と平和の尊さを子どもたちにしっかりと学んで欲しい、そのために伝えていくことが私たちの役割です。そして1人でも多くのオランダの人々に水巻町を訪れていただき、日本の人たちとふれあっていただきたい。」2009年7月永眠されました。

水巻町十字架の塔・平和と文化を育む会(1986から1995年)

「水巻町十字架の塔・平和と文化を育む会」は、ドルフ・ウインクラーさんの戦後初来町当時から1995年までの約10年間にわたって「十字架の塔」の清掃・整備、献花式の主催、慰霊団の受け入れを行ってきたボランティア団体です。その献身的な活動が水巻町とオランダの友好に果たした役割は非常に大きなものとなりました。

活動の詳細については十字架の塔 心の旅路をご覧ください。

黒河省二さん夫妻

代表:黒河省二さん

1986年から現在に至るまで、妻の知愛さんとともに「十字架の塔」の花植え、清掃などに尽力。
1995年以前には約10年間という長期にわたり「十字架の塔・平和と文化を育む会」代表として、慰霊団の受け入れの中心的役割を担ってきました。オランダとの友好に大きく貢献し、その輪は今でも広がっています。
美しく花で彩られた「十字架の塔」はオランダからの慰霊団の人々の心に大きな感動を呼びました。このような活動の功績が讃えられ、1994年に外務大臣表彰を受賞されました。2020年9月永眠されました。(写真は1993年撮影)

1995年第8回献花式画像
(1995年第8回献花式の様子)

ゲラルド・サレミンク神父画像

ゲラルド・サレミンク神父

ゲラルド・サレミンク神父は、1963年にオランダから来日。以来、日本各地の教会にて司牧。水巻町では「十字架の塔・平和と文化を育む会」の黒河省二夫妻とともにオランダ慰霊団およびJIN、SAKURAの会員の戦争で負った心のケアに尽力。その心遣いはオランダの人々が心を癒す大切なきっかけのひとつとなり、その活動は日蘭双方に多大な功績を残しました。1997年4月永眠されました。

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