広報みずまき2026年7月10日号(特集)
更新日:7月10日
特集 佐藤幸乃さん絵画寄贈

故郷を描き続けた 佐藤先生
佐藤幸乃(さとう ゆきの)さんは、福岡学芸大学(現・福岡教育大学)を卒業後、水巻中学校の美術教師を15年勤めた後、画家として活躍してきました。現在は自宅アトリエで絵画塾を主宰するとともに、
中央公民館では絵画グループの指導を長年続けています。
これまでに、西部女性美術展、北九州平和美術展、九州女流画家展、東京上野美術館で開催された一創会展などへの出展や数多くの個展を開催してきました。
また、昨年芦屋町の「ギャラリーあしや」で開催された「さとうゆきの展」では、水巻町の風景のほか、芦屋の海岸などを描いた雄大な風景画が展示され、多くの人が訪れました。
これまでに出版した画文「絵本セイタカアワダチソウ」、絵本「砧姫物語」、自分史「草も花も
翼も」、詩と随筆「立ち尽くす午後の」、無綴じ画帳「アトリエの四季」、「さとうゆきの画集」な
どの書籍や画集は、多くの人に親しまれてきました。
寄贈に至ったその思いとは
今回、6点の油彩画を寄贈することになった理由を教えてください。
【佐藤先生】
私は遠賀川上流で生まれ、水巻町に移り住んで60年以上になります。これからも絵は描き続けていきたいと思っていますが、南部公民館に飾られている「遠賀川母子像」を原点に、遠賀川をテーマとして描いてきた作品については、自分の中で一つの区切りがつきました。そのため、これらの作品を町に寄贈したいと考えました。
今後は展覧会などのイベントで展示してもらい、新しい公共施設などができた際には常設展示していただければうれしく思います。また、時折作品展を開催するなど、町の文化活動に役立てていただければ幸いです。
水巻町出身の画家大貝彌太郎(おおがい やたろう)さんの作品も、図書館・歴史資料館に収蔵されています。大貝さんは明治41年に猪熊で生まれ、美術教師として働きながら画家として活躍しましたが、太平洋戦争中の昭和19年に長崎地方航空機乗員養成所への出向を命じられました。そこで描いた2枚の少年飛行兵の絵は、教え子を戦場へ送り出す教師としての悲しみや寂しさがにじみ、戦争の悲惨さを静かに訴えかけています。大貝さんは終戦後に結核を患い、昭和21年、38歳という若さでその生涯を閉じました。
私は大貝さんの作品に深く感動し、ぜひ多くの人に見てもらいたいと思いました。そこで、写生画同好会の仲間たちに呼びかけて遺作展実行委員会を結成し、平成7年には南部公民館で遺作展を開催することができました。また、図書館・歴史資料館の建設にあたっては、大貝さんの作品をより良い環境で保管できるよう、収蔵庫の整備にも関わりました。
さらに、水巻町の炭鉱で働きながら版画家として活躍されたうえだひろしさんとも長年親交がありました。このような町のかけがえのない先人たちの作品とともに、私の作品も収蔵してもらいたいという思いから、今回の寄贈を決意しました。
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